脂肪の組成
脂肪吸引は皮下脂肪を吸引しますが、その皮下脂肪には2種類の脂肪があります。
一つは皮下の浅い層に存在するいわゆる『皮下脂肪』ともう一つは、体の特定の部位に存在する『LFD(localized fat deposit)』と呼ばれる深い層にある脂肪です。
図のように、深い部分の脂肪である『LFD』を浅い層にある『皮下脂肪』が周囲を覆っています。
図をご覧になっていただくと、『皮下脂肪』には血管や神経が走行していますが、『LFD』は血管や神経が乏しくなっています。
ダイエットやエステによる痩身では、血行を介して脂肪細胞を燃焼させるため、反応する脂肪は『皮下脂肪』がメインとなります。血行に乏しい『LFD』はダイエットにはあまり反応しないのです。
そのため、一般的なクリニックの脂肪吸引では『LFD』をメインに吸引している事が多いようです。
しかし、女性の脂肪の付き方としては『LFD』だけでなく『皮下脂肪』もしっかりと付いている事が多くあります。
脂肪吸引を受けたものの、効果があまり出ていないと感じる場合、『LFD』以外の『皮下脂肪』の吸引が甘い可能性があります。
そのため、脂肪吸引でしっかりとした細さを出すためにはこの『皮下脂肪』をいかにしっかりと吸引しているかにかかっています。
しかし、『皮下脂肪』は皮下の浅い層に存在しているため、むやみやたらに吸引していると凸凹になりやすく、血管や神経の走行も多いため、出血・感染等のリスクもあります。
安全面や仕上がりの滑らかさを考えたうえで、この『皮下脂肪』の部分をいかに丁寧にしっかりと吸引するかが、患者様の術後の満足度の向上につながります。